群馬県の神流町から産出される「神流杉」と「神流檜」をブランド化して、伝統建築物などを中心に利用拡大を目指す取り組みがスタートした。
同町(田村利男町長)と神流川森林組合(田村利男組合長)は9月27日に、住宅産業研修財団(東京都千代田区、上野公成理事長)、優良工務店の会QBC(同、阿部常夫会長)、大工志の会(同、池尾拓会長)との間で「建築物等における神流町産材の利用促進協定」を締結した。同協定は、都市(まち)の木造化推進法に基づくもので、5者は連携して町産材の活用や若手大工技能者の育成などに取り組む。
同町は、町面積の約9割が森林で覆われており、標高約650m以上で育ったスギやヒノキは、高密度で虫がつきにくく、「神流杉」及び「神流檜」として地域団体商標登録を申請している。
また、同町では、住宅産業研修財団が主催して全国の若手大工が伝統技術を習得する「大工志塾」の現地研修が行われており、2018年からは町産材が提供され、これまでに「神流檜」を用いた五重塔(黒田地内)や「神流杉」を使った町営住宅(麻生地内)が建設されている。
5者協定が結ばれたことで、同町と大工・工務店など川下側とのつながりがさらに強まると見込まれ、2050年カーボンニュートラルの実現や、合法伐採木材等の利用を通じたSDGsの達成にも貢献できると期待されている。
なお、神流川森林組合では、「大工志塾」などからの要望を受けて、通常の取引では入手しづらい長尺材(長さ6mや8m)の生産にも着手しており、規格外の受注にも応じながら「神流杉」と「神流檜」の認知度と供給力を高めていくことにしている。
(2023年9月27日)
(トップ画像=神流町役場に5者の代表が集まり9月27日に協定締結式を行った)
『林政ニュース』編集部
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