住友林業がいわき市にスギ工場新設を計画 10万m3規模で2026年3月の稼働開始目指す

住友林業がいわき市にスギ工場新設を計画 10万m3規模で2026年3月の稼働開始目指す

住友林業(株)(東京都千代田区、光吉敏郎・代表取締役社長)は、福島県いわき市のいわき四倉(よつくら)中核工業団地内に国産スギを原料とする木材加工工場を新設する。昨年(2023年)11月7日付けで事業主体となる新会社「(株)木環(こわ)杜(もり)(もり)」(東京都千代田区)を設立しており、地元関係者らとの調整を進めている。

同社の光吉社長は、2月15日に東京都内で開いた決算説明会の中で、「(工場新設の)事業を検討しているのは事実であり、工業団地内の土地を抑えにいっている。ローカルパートナーや従来からの取引先などと連携した取り組みになる」と述べ、「事業規模などはこれから詰めていく」と語った。

関係者の話を総合すると、新工場は2026年3月の稼働開始を目指しており、前年(2025年)の秋頃から原木(丸太)の調達を本格化させる予定。年間の原木消費量は、当初は20万m3規模を想定していたが、検討の結果、10万m3(月1万m3弱)程度でスタートさせる見通しだ。

生産品目については、集成材用ラミナなどのエンジニアードウッドとし、住宅だけでなく非住宅建築物に使用される部材を供給していく方針。

総事業費は約40億円を見込んでおり、経済産業省の企業立地補助金や福島県及びいわき市からの助成金も活用する。 同社は、2030年に向けた長期ビジョンの中で、国内各地に年間原木消費量20~30万m3規模の木材コンビナートを整備して、年間の国産材使用総量(原木ベース)を100万m3に増やす目標を設定している。100万m3達成に向けて、鹿児島県志布志市で新工場の建設プロジェクトが進んでおり、いわき市に新設する工場は、これに続くものに位置づけられる。

(2024年2月15日取材)

(トップ画像=いわき四倉中核工業団地の全景、総面積127.5ha、いわき市のウェブサイトより)

『林政ニュース』編集部

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