越井木材がDIY用ブランド「K-WOODS LIFE」本格展開、市場開拓目指す

越井木材がDIY用ブランド「K-WOODS LIFE」本格展開、市場開拓目指す

防腐防蟻木材のトップメーカー・越井木材工業(株)(大阪府大阪市、越井潤社長)が新たにDIYブランド「K-WOODS LIFE」を立ち上げ、9月5日から本格展開に入った。プロ仕様の同社製品をDIY用にアレンジし、ホームセンターでウッドデッキ用材などとして一般消費者向けに販売する。同ブランドの認知度を高めるため、ホームページやYouTube、SNSを使った情報発信を強化しているほか、専用のガイドブックも刊行し、拡大するDIY市場で新規顧客を掴んでいく方針だ。

主力製品の6割がヒノキに、国産材プラットフォーム「KISM」を活用

越井木材工業は、防腐防蟻処理を施した製品を年間約4万m3生産しており、原料には北米産のベイツガと国産のヒノキを使っている。ウッドショック前まではベイツガが約8割を占めていたが、価格高騰などで従来通りの輸入が難しくなってきたため、昨年(2021年)7月頃からヒノキへのシフトを推進。新たに構築した国産材供給プラットフォーム「KISM(キズム)」と既存の流通ルートを活用して原料転換を進めており、現在は主力製品に使用する木材の約6割がヒノキになっている。

「KISM」は、「歩留まり優先」をコンセプトに据え、高付加価値製品の供給を目指すネットワークで、製材所や大手ビルダー、ホームセンターなどで構成している。同社は西日本を中心に約800haのスギ・ヒノキ林を所有しており、伐出した丸太(原木)は「KISM」の製材所が賃挽き加工する。参画している製材所は6県24社に広がっており、ほとんどは月間約50m3の原木を消費している。

同社は、一連の取引で得た利益を再造林費用に充て、社有林の持続的利用を進めている。担当者は、「連携している製材所の歩留まりは52%まで上がり、新製品も開発できた。今後も丸太1本の価値を高めていく」と話している。なお、「KISM」は、「森林×脱炭素チャレンジ2022」で優秀賞を受賞している。

(2022年9月1日取材)

『林政ニュース』編集部

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