大阪府が4月に創設した「CO2森林吸収量・木材固定量認証制度」の第1号として、(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区)の木質化した売り場が認証された。同制度は、府内における森林整備による二酸化炭素(CO2)吸収量や府内産木材利用を通じたCO2固定量を認証して、脱炭素社会の実現につながる取り組みを後押しするもの。認証されたCO2の吸収・固定量は、「大阪府気候変動対策の推進に関する条例」に基づくCO2排出量削減実績に算入できるなどのメリットがある。
阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店8階における「GREEN AGE(グリーンエイジ)」のオープンと紳士服洋品売り場の改装にあたり、内装に府内産木材を用い、木製の机や椅子を設置することで、府内産のヒノキを8.48m3使用。これにより、6.8tのCO2を固定していることが認められ、8月24日に認証書の授与式が行われた。阪急阪神百貨店の持株会社であるエイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区)は、2021年7月に大阪府と包括連携協定を締結し、府内産木材の活用促進を申し合わせている。
なお、同制度では、府内における0.1ha以上の森林整備と0.5m3以上の府内産木材利用を対象に、第2号以降の認証案件を選定していくことにしており、担当者は「自治体などにも普及していきたい」と話している。
(2023年8月24日取材)
(トップ画像=木質化した阪急うめだ本店8階の「GREEN AGE」)
『林政ニュース』編集部
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