国内外から103点の応募、「もりの学校」がゴールドに輝く
新規性のあるアイデアを求めた「アワード」には、国内だけでなく、タイや中国など海外からも含めて計103点の応募があり、建築家やアートディレクターで構成する審査委員会が「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」、「ピックアップ」の各賞を選定した。
最優秀賞であるゴールドを受賞したのは、「もりの学校(仮)」。林業やNPO法人、福祉・観光事業などの関係者にプロデューサーやデザイナー、カメラマンらが加わり、「もりの学校」を展開するアイデアを発表した。「こんな森があったらいいよね」という思いを共有し、実現する内容で、すでに北海道札幌市内の森林で環境保全型林業を実践している。これから道内各地に展開することを想定しており、受賞者代表の足立成亮氏は、「僕たちは見られる林業をしている。興味があれば、ぜひ北海道に来て欲しい」と話している。
「BEST CAMP賞」は「Forest(フォレスト) crayon(クレヨン)」
クリエイターが対象の「キャンプ」では、約10チームが応募した中から3チームが選ばれ、1月上旬から約40日間をかけてプロトタイプを製作した(写真参照)。その後、3月5日の授賞式の中でプレゼンテーションを行い、一般投票によって最優秀賞の「BEST CAMP賞」が決まった。
「BEST CAMP賞」に選ばれたのは、チーム名「playfool」の「Forest crayon(仮)」。建築や家具用材にならない規格外の木材を、一旦粉末にしてから固め直し、クレヨンとして再生した。使用したのはカツラやホオノキのほか、腐朽菌で緑色に変色した木材など12樹種。クリエイターは、「今後商品化を目指して、地域ごとのカラーパレットをつくっていきたい」と抱負を語った。
全体を講評した審査委員長の永山祐子氏(建築家)は、「『プロが見て凄いもの』よりも、一般の方にも想像し、共感してもらえるアイデアを重視した。受賞作品は、見た人が新たな可能性を感じるもの、身近な体験に基づくものを選んだ」と述べた。参加者及び関係者らからは、第2回も開催して欲しいとの声が出ている。
(トップ画像=代官山蔦屋書店で開催された展示会のテーマは「木を“知り”木に“触れる”」。関係者は、「国産材史上最もおしゃれな展示会になったかもしれない」と話していた)
『林政ニュース』編集部
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