異分野の才能が集結!「ウッド チェンジ チャレンジ」を初開催

木材・木製品製造業

異分野の才能が集結!「ウッド チェンジ チャレンジ」を初開催
「木へのまなざしを変えるアイデア」募集!――昨年11月から今年2月までインターネット上でプロ・アマを問わず林業や国産材利用の新たな可能性を発掘するプロジェクト「ウッド チェンジ チャレンジ(WOOD CHANGE CHALLENGE)」が初めて開催された((株)ロフトワーク主催)。アイデアを募集する「ウッド チェンジ アワード」と、クリエイターが木製品などのプロトタイプ(試作品)までつくる「ウッド チェンジ キャンプ」の2本立てで実施。3月5日にオンラインで授賞式と記念トークイベント行うとともに、3月18日まで東京都渋谷区の代官山蔦屋書店で展示会を開いた。

国内外から103点の応募、「もりの学校」がゴールドに輝く

新規性のあるアイデアを求めた「アワード」には、国内だけでなく、タイや中国など海外からも含めて計103点の応募があり、建築家やアートディレクターで構成する審査委員会が「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」、「ピックアップ」の各賞を選定した。

最優秀賞であるゴールドを受賞したのは、「もりの学校(仮)」。林業やNPO法人、福祉・観光事業などの関係者にプロデューサーやデザイナー、カメラマンらが加わり、「もりの学校」を展開するアイデアを発表した。「こんな森があったらいいよね」という思いを共有し、実現する内容で、すでに北海道札幌市内の森林で環境保全型林業を実践している。これから道内各地に展開することを想定しており、受賞者代表の足立成亮氏は、「僕たちは見られる林業をしている。興味があれば、ぜひ北海道に来て欲しい」と話している。

「もりの学校(仮)」の取り組み風景

「BEST CAMP賞」は「Forest(フォレスト)) crayon(クレヨン))

クリエイターが対象の「キャンプ」では、約10チームが応募した中から3チームが選ばれ、1月上旬から約40日間をかけてプロトタイプを製作した(写真参照)。その後、3月5日の授賞式の中でプレゼンテーションを行い、一般投票によって最優秀賞の「BEST CAMP賞」が決まった。

「BEST CAMP賞」の「Forest crayon(仮)」
昔ながらの製材技術で製作されたスチール「chopping」
樹皮や木屑、腐葉土など森の素材をアクリル樹脂で固めた「ForestBank」

「BEST CAMP賞」に選ばれたのは、チーム名「playfool」の「Forest crayon(仮)」。建築や家具用材にならない規格外の木材を、一旦粉末にしてから固め直し、クレヨンとして再生した。使用したのはカツラやホオノキのほか、腐朽菌で緑色に変色した木材など12樹種。クリエイターは、「今後商品化を目指して、地域ごとのカラーパレットをつくっていきたい」と抱負を語った。

全体を講評した審査委員長の永山祐子氏(建築家)は、「『プロが見て凄いもの』よりも、一般の方にも想像し、共感してもらえるアイデアを重視した。受賞作品は、見た人が新たな可能性を感じるもの、身近な体験に基づくものを選んだ」と述べた。参加者及び関係者らからは、第2回も開催して欲しいとの声が出ている。

(トップ画像=代官山蔦屋書店で開催された展示会のテーマは「木を“知り”木に“触れる”」。関係者は、「国産材史上最もおしゃれな展示会になったかもしれない」と話していた)

『林政ニュース』編集部

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