(後編)激動の30年を超えて“次”へ、協和木材の戦略【遠藤日雄のルポ&対論】

(後編)激動の30年を超えて“次”へ、協和木材の戦略【遠藤日雄のルポ&対論】

中編からつづく)年間に60万m3近くの原木を消費するまでに成長した協和木材(株)(東京都江東区)は、アイテム(生産品目)をムク(無垢)製品から集成材、2×4(ツーバイフォー)材へと拡大し、国内だけでなく海外市場の開拓も視界にとらえる段階に入った。同社の佐川広興・代表取締役は、「国内の住宅マーケットが縮小期に入ったのは事実」と冷静に見極めた上で、国産材の新たな出口(需要先)を見出すべく“次なる戦略”を練っている。平成の時代から現在に至るまで、着々と打ち続けてきた“布石”は、これからどのように結実していくのか。遠藤日雄・NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長との「対論」を通じて、新たな“沃野”が見えてくる。

規模拡大路線貫徹し国際競争力獲得、懸念は中小工場の今後

遠藤理事長

これまでの約30年にわたる協和木材の歩みを振り返ると、国産材製材メーカーの規模拡大路線は1つの到達点に達したと言うことができる。スギ集成材がホワイトウッド(WW)集成材のシェアを奪い、国産2×4材を北米や東南アジアに輸出できるようになったのは、国際競争力がついてきた証(あかし)だ。

遠藤日雄(えんどう・くさお)

NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。

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