長期・広域の「令和2年7月豪雨」で林野被害が多発 林業県に打撃、調査ではJAXAと連携

長期・広域の「令和2年7月豪雨」で林野被害が多発 林業県に打撃、調査ではJAXAと連携

7月3日から西日本を中心に広い範囲にわたって大雨が続き、局所的に記録的な豪雨にも見舞われて、各地で深刻な被害が発生している。政府は「令和2年7月豪雨」と命名し、復旧事業や被災者支援に乗り出しているが、異例の長期・広域に及ぶ豪雨災害に加え、悪天候で調査活動も進まず、全容の把握が難航している。

林野関係では7月14日時点で、33道府県、1,803箇所・件の被害が報告されている(参照)。主な被災都道府県は、熊本県(被害数286箇所、被害額70億2,000万円)、宮崎県(86箇所、9億5,000万円)、長野県(163箇所、6億4,000万円)などとなっているが、まだ調査に着手できていない地域も多く、木材加工工場など川下関係の被災状況も十分に掴めていない。

林野庁は、九州・中部森林管理局に災害対策本部を設置し、技術者を派遣するなどの対応を進めている。また、今年度からは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と締結した協定に基づいて、合成開口レーダで緊急観測した調査結果を被災自治体に情報提供するようにした。当面は「あらゆる手段を使って被災状況の把握に努め、早期復旧につなげる」(治山課)方針だ。

(2020年7月14日取材)

(トップ画像=熊本県芦北町で起きた山腹崩壊、画像提供:林野庁治山課)

『林政ニュース』編集部

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