三井住友信託銀行が西粟倉村で「森林信託」を初めて受託

三井住友信託銀行が西粟倉村で「森林信託」を初めて受託

三井住友信託銀行(株)(東京都千代田区、橋本勝社長)が新規事業として取り組んでいる「森林信託」の第1号物件が岡山県の西粟倉村に誕生した。8月1日付けで、同村内に約10㏊の森林を所有する村外地主との間で、「森林信託」の契約を結んだ。信託銀行や信託会社が手数料を取って財産を預かる「商事信託」を森林に適用する国内初のケースとなる。

続いて8月19日には、同社と西粟倉村(青木秀樹村長)及び住友林業(株)(東京都千代田区、光吉敏郎社長)が森林信託の普及に向けた「包括的連携協定」を締結した。

3者が実施する「森林信託」を中心とした取り組みは、トップ画像のようなスキームとなっており、実際の森林施業などは同村にある(株)百森に委託して実施する。百森は、施業を通じて得られた収益の一定割合を同社に戻し、地主(森林所有者)に配当として還元する。また、住友林業は、木材の販売促進などの経営サポートを行う。このスキームにより、相続に左右されず長期的な視点に立った森林の経営・管理が行えるようになる。

なお、家族や親族が非営利目的で行う民事信託を利用した「森林信託」は、佐賀県の(株)伊万里木材市場が先駆けて実施している。

(2020年8月19日取材)

(トップ画像=西粟倉村で実施する「森林信託」の全体スキーム)

『林政ニュース』編集部

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