生産業者はピーク時から9割減、本来の良さをどう伝えるか
米嶋銘木の起源である米嶋家は、明治期前から京北地域を代表する山林家として知られていた。そして、北山磨き丸太ブームが到来した1972(昭和47)年に個人事業者として米嶋銘木を設立し、昨年7月に株式会社となった。
社長の米嶋昌史(64歳)は、磨き丸太の競り市を運営する京北銘木生産協同組合(京都市右京区)の理事長でもある。和風住宅の減少などで、磨き丸太の売れ行きに往事の勢いはない。生産業者は、ピーク時に比べて9割以上が廃業したといわれる。
この苦境から抜け出すため、同組合では、表面仕上げや含水率、強度等級の明確化などを通じて磨き丸太の品質向上を図っている。また、中国・上海での展示販売や、ベンチ・壁材といった新製品の開発など、磨き丸太の新規需要開拓にもチャレンジ中だ。
米嶋は率直に言う。「磨き丸太は完成された製品。下手に削ったり色を塗ったりすると他の製品...
『林政ニュース』編集部
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