(後編)グローバルな視野で国産材を活かす江間忠グループ【遠藤日雄のルポ&対論】

(後編)グローバルな視野で国産材を活かす江間忠グループ【遠藤日雄のルポ&対論】

前編からつづく)米材の輸入で一時代を築いてきた江間忠グループは、国内にある約5,200haの社有林を基盤にした国産材の利活用事業に乗り出している。同グループを率いる江間壮一・(株)江間忠ホールディングス社長は、「川上から川下に至る国産材流通の仕組みをつくる」ことを重点課題にあげる。国内外で広範な木材ビジネスを展開する同グループの経営資源が日本林業に投入されると、どのような“化学反応”が起きるのか。遠藤日雄・NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長が、「対論」を通じて「江間ビジョン」の全貌に迫る。

江間忠版国産材流通システムを構築しパートナーを広げる

遠藤理事長

江間忠グループが国産材事業を本格化するにあたって、「解決しなければいけない課題が数多くある」という指摘は重要だ。外材ビジネスで培ってきたノウハウをそのまま国産材にあてはめることはできないということか。

江間社長

外材のように規格化された製品がまとめて港に着くという形態とは全く違う。国内の山で伐採した原木(丸太)を製材工場などに運搬して加工し、川下の施工現場まで届けるという流れを効率化することは一筋縄ではいかない。実際に着手してみると机上では解決できない問題がいくつも出てきて、3歩進んで2歩下がるように感じることもある。
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遠藤日雄(えんどう・くさお)

NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。

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