風力・地熱発電などの再生可能エネルギー(再エネ)を“主力電源化”するため、国有林野の貸付けや保安林解除などに関する手続きを簡素・迅速化することが決まった。林野庁が6月中にマニュアルなどを作成し、関連通知などを出す。
政府の「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」(主宰=河野太郎規制改革・行政改革担当大臣)が6月3日に対応方針をまとめ、公表した。同タスクフォースは、「2050年カーボンニュートラル社会の実現」に向けて昨年11月20日に設置され、再エネのうち風力と地熱発電の導入拡大に焦点を当てて規制緩和策などを省庁横断的に検討してきた。
森林関係の検討結果は、「立地制約」の解消として表のようにまとめられた。
公益的機能を維持しながら風力・地熱発電施設の立地を進めるため、国有林野の貸付けに関する詳細なマニュアルを作成するほか、環境アセスメントなど他の許認可手続き等との並行審査ができるようにして迅速化を図る。自然生態系の保護を目的にしている「緑の回廊」についても、再エネ施設の設置等に関する基準を明確にして公表する。
保安林解除の事務手続きも「見える化」の観点から見直す。再エネ対応のマニュアルをつくり、関係通知なども合わせて一元的に閲覧できる「保安林ポータル(仮称)」を林野庁のホームページ上に開設する。
なお、農林水産省は、新たなエネルギー基本計画の策定に併せて、農山漁村全体で再エネの利用を促進するための数値目標を設定することにしており、森林分野の数値目標も盛り込むことで検討を進めている。
保安林ポータルのサイトはこちら。
『林政ニュース』編集部
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