速水林業が日本初、FSC認証取得へ 林業経営の国際スタンダード目指す

三重県の林業経営者、速水亨氏(速水林業)が、FSC(Forest Stewardship Council)の森林認証を日本で初めて取得する。カリフォルニアの認証機関SCS(Scientific Certification Systems)と九月中旬に契約し、審査手続きに入る。審査をパスすれば、持続可能な森林から生産された木材(FSC認証材)としてラベリングされ、マーケットでの差別化が図られることになる。

審査のポイントは、持続可能な管理経営を実現する施業計画が明確に示され、実践されているかどうか。生態系などの環境配慮が計画に盛り込まれていることも条件となる。認証手続きは、早ければ2〜3週間で完了する場合もあるが、レポートの翻訳作業も必要となるため、取得時期は未定。

今回の場合、認証取得にかかる費用は3万2,000〜3万3,000ドル(約400万円)とみられているが、速水氏は、「認証コストを消化できる林業経営でなければ、持続性があるとは言えない。自力で認証を受けて、林業経営の自立、生き残りの証を示したい」と語っている。

FSCの森林認証制度を推奨しているWWF(世界自然保護基金)では、「欧米のように、生態学や社会学などを含めた幅広い研究者たちによって、日本独自の認証基準ができれば、コストは下げられる。グループ認証などによって負担を軽減する方法もある」(WWFジャパン)と説明している。なお、FSCの森林認証に関しては、高知県も取得準備を進めており*1、事前審査や事務作業の受託先には、(社)日本林業技術協会が選ばれている。

『林政ニュース』編集部

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