鳥取県倉吉市に特定母樹の「閉鎖型採種園」開設─日本製紙

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鳥取県倉吉市に特定母樹の「閉鎖型採種園」開設─日本製紙

日本製紙(株)(東京都千代田区)が鳥取県の倉吉市で整備を進めてきた「倉吉閉鎖型採種園」が10月28日に竣工し、稼働を始めた。

同採種園では、成長に優れ二酸化炭素(CO2)吸収能力の高いエリートツリー等の供給量を増やすため、スギ・ヒノキの「特定母樹」の種子を採り、「特定苗木」を生産する。

外来花粉の侵入を防ぎ、特定母樹同士による確実な交配を行うため、2棟の温室(間口7.2m×奥行23m×高さ5m)からなる閉鎖型の採種園にした。当面は特定苗木10万本分の種子生産を目指しており、事業が軌道に乗れば施設を拡大して生産規模を拡大することも検討している。来年(2023年)2月から人工交配を開始し、同年10月に種子を初収穫する予定。収穫した種子を使って再来年(2024年)から苗木生産を行い、同年秋以降の苗木出荷を計画している。

同社は、「特定苗木」の60万本増産を目標に掲げており、従来からの北海道と熊本県に加えて、静岡・鳥取・広島・大分の4県で特定増殖事業者の認定を取得し、地元の苗木生産者らと連携して採種園や採穂園を造成することにしている。「倉吉閉鎖型採種園」に続き、静岡県と広島県では採種園を、大分県では採穂園を今年度(2022年度)中に開設することにしている。

(2022年10月28日取材)

(トップ画像=10月28日の竣工式で挨拶をする日本製紙の越智隆・執行役員)

『林政ニュース』編集部

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