川上・水際の第1種木材関連事業者に合法性確認を義務付け
クリーンウッド法は、2016年5月に議員立法によって成立し、翌17年5月に施行された。施行後5年をメドに検証を行って「必要な措置」を講じると規定しており、林野庁は有識者らで構成する「合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会」を設置して、同法を巡る現状や課題などに関する議論を進めてきた。同検討会は、昨年4月に「中間とりまとめ」を公表し、同法の実効性を高めるための方策などを提言。これを踏まえて、同法改正の内容を固めた。
主な改正点は、輸入商社や原木市場、製材・合単板・チップ工場などの第1種木材関連事業者に対して、合法性確認を義務付けること。現在は任意の登録制度によって違法伐採木材の締め出しを図っているが、義務化によって合法木材しか流通させないようにする。これに伴い、第1種木材関連事業者を対象にした登録制度は廃止する。また、合法性確認を円滑に行えるようにするため、国内の素材生産事業者等に対して伐採届等の情報提供を義務付ける。義務違反に対しては、直罰(直接罰)ではなく勧告などを含めた仕組みで対応することを検討している。
第1種以外の第2種木材関連事業者については、現行の登録制度を継続し、新たに「小売事業者」を追加して、合法性確認等の取り組みが消費者まで伝わるようにする。
「人権尊重のためのガイドライン」を適用、2025年度に施行
このほか、政府が昨年9月に策定した「人権尊重のためのガイドライン」を同法に適用させる。また、一連の規制強化に伴う事業者負担を軽減するために電子システムの整備などにも取り組む。
法改正後は周知期間などが必要になるため、義務化に関わる規定は2025年度に施行することが予定されている。
(2022年12月20日取材)
『林政ニュース』編集部
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