政府は、クリーンウッド法(合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律、CW法)の改正案を2月28日に閣議決定し、国会に提出した。新たに川上・水際における合法性の確認を義務化する条項などを設け、違法伐採対策を強化する。
同法は、2016年5月に議員立法で成立し、合法性の確認を行う事業者の登録を進めて違法伐採木材を市場から締め出すことを目指してきた。だが、合法性が確認された木材の量は木材総需要量の約4割(2021年度)にとどまっており、事業者の登録件数も約600件(2022年12月末現在)で伸び悩んでいる。EUや豪州、米国など諸外国は罰則付きの法令等に基づいた違法伐採対策を進めており、日本も法改正によって規制を強化し、5月のG7広島サミットに向けて諸外国と足並みを揃えることにした。
同法の改正後の概要は、トップ画像のようになる。木材流通の最初の段階に位置する原木市場、製材・合単板・チップ工場等と輸入事業者(商社等)に対して、合法性の確認とともに記録の作成・保存、情報の伝達を義務付ける。関連して、素材生産販売事業者には伐採届等の情報提供を義務付け、合法性の確認作業が円滑に行えるようにする。義務に違反した場合は、主務大臣が指導・助言、勧告、公表、命令を行うことができ、命令違反に対しては罰則を課す。
また、現在は同法の対象外となっている小売事業者を木材関連事業者に追加し、消費者にも合法性確認に関する情報提供が十分に行えるようにする。
なお、改正法の施行は、周知期間を考慮して公布日から2年以内とし、3年後をメドに所要の見直しを行うことも定める。
(2023年2月28日取材)
(トップ画像=改正後のクリーンウッド法の概要)
『林政ニュース』編集部
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