SGECとPEFCの「相互承認」が成立 国際認証制度に移行、ロゴマーク併用へ

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SGECとPEFCの「相互承認」が成立 国際認証制度に移行、ロゴマーク併用へ

緑の循環認証会議(SGEC)がPEFCとの間で進めていた「相互承認」の手続きが完了した。6月3日のPEFC総会で、SGECを相互承認することが認められた。

SGECとPEFCアジアプロモーションズは、6月7日に東京都内でフォーラムを開催し、国内の関係者にSGECが国際認証制度として新発足したことを報告した。相互承認の成立によって、SGECは日本国内でPEFC認証制度を管理する団体(通称「PEFCジャパン」)を兼務することになり、実質的に窓口が一本化される。また、SGEC自体は認証制度全体を管理するスキームオーナーとなり、個々の認証業務は国際規格であるISOの認定を取得した認証機関が第三者認証をする仕組みに切り替わる。すでにSGECとPEFCの認証を取得している事業体等は7月以降に、ロゴマーク使用の契約手続きを済ませれば2つのマークを併用できるようになる。

「脱ガラパゴス化」で海外市場開拓の“援軍”になり得るか

世界の森林認証制度がFSCとPEFCに二極化している中、SGECは41か国が加盟するPEFCの枠組みに入ることで「脱ガラパゴス化」を果たした。東京五輪関連施設で使用される木材に国際認証材が優先採択されるなど、マーケットの「選別の目」は厳しさを増しており、SGECが国際規格に脱皮したことは前進といえる。

ただし、相互承認後は、CoC認証の公示料金がPEFC並み(販売額が年間1億5,000万円以上の事業体は年間6万円など)になり、事業体の費用負担は増す。認証機関もISO規格の取得が要件となり、今のところ日本森林技術協会、日本ガス機器検査協会、SGSジャパン(株)しか資格を満たしていない。

五輪特需も見込んでSGECの認証取得に乗り出す企業や自治体は増えているが、費用負担との見合いでどれだけの“実利”を得られるかは今後の課題だ。6月7日のフォーラムでSGECの佐々木恵彦会長は、「アジア地域での木材不足が予想されている」と述べ、木材輸出拡大への期待感を口にした。少子化と人口減で縮小する国内市場から海外市場へ飛び出す際に、新生SGECがどれだけの“援軍”になり得るか、そこが問われることになる。

(2016年6月7日取材)

(トップ画像=6月7日に東京都内で開かれた「SGEC森林認証フォーラム」の中で、PEFC評議会のベン・ガニバーグCEOからSGECの佐々木恵彦会長に証書が手渡された(中央は、来賓として出席した高円宮妃殿下))

『林政ニュース』編集部

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