宮崎県は、新たに「みやざき森林経営管理支援センター」(仮称)を設置し、市町村林政をサポートする体制を強化する。市町村には林業担当職員が少ない実情を踏まえ、同センターが相談対応や研修、広報活動などの業務を引き受けて、きめ細かな支援を行えるようにする。森林環境譲与税基金を活用して、今年度(2021年度)予算に約2,600万円の必要経費を盛り込んだ。
2019年度にスタートした森林経営管理制度*1では、市町村が森林所有者の意向を確認した上で、手入れの行き届かない私有林の解消を目指すことにしている。だが、市町村には専門的な知識や技術を持つ人材が不足しており、同県内の26市町村のうち13市町村では意向調査が準備段階にとどまっている(1月末時点)。そこで同センターが相談対応などをワンストップで行い、市町村の業務負担を軽減し、同制度の進捗度を高めることにした。同センターは、県からの委託を受けて県森林組合連合会内に置く予定。
なお、同県では、3月17日の本会議で「宮崎県木材利用促進条例」が全会一致で可決され、4月1日に公布・施行された。同条例は全17条からなり、基本理念のほか、県、森林所有者、林業・木材・建築関係事業者、県民らが果たすべき責務や役割などを定めている。2005年に制定した「宮崎県水と緑の森林づくり条例」とともに、林政を後押しする根拠条例となる。
『林政ニュース』編集部
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