政府は、外部有識者が中心となって国の補助事業を点検する「行政事業レビュー」の公開プロセスを6月24日に行い、林野庁の「木材需要の創出・輸出力強化対策」に対して、「事業の廃止を含めた抜本的な見直しが必要」と結論した。これを受けて林野庁は、同対策の根本的な見直しを含めて来年度(2027年度)予算概算要求の内容を固める方針だ。
同対策は、公共建築物の木造・木質化や木質バイオマスエネルギー利用、CLT(直交集成板)の販路開拓、合法木材の普及、特用林産物の生産性向上などを総合的に支援するパッケージ型の事業で、今年度(2026年度)予算には1億6,600万円が計上されており、最終的な達成目標(アウトカム成果)として、「国産材の供給・利用量を令和12年度までに4,200万m3に増加」させることを掲げている。
6月24日の行政事業レビューには、外部有識者として、金子健紀・金子公認会計士事務所公認会計士(税理士)、 中村圭・三菱UFJリサーチ&コンサルティング副主任研究員、上村敏之・関西学院大学経済学部教授、林隆之・政策研究大学院大学教授の4氏が出席し、同対策の進捗状況や必要性などに関して約1時間にわたって議論した。
その結果、同対策は、「モデル事業として先導的に国が実施しており比較的短期間に成果を出す必要がある」が、「長年継続しているものの、目標としているアウトカム成果の達成は厳しい状況にある」との見方を示し、「事業の廃止を含めた抜本的な見直しが必要」とした。
また、同対策の中の木質バイオマスエネルギー利用に関する事業を取り上げて、「廃止を含めた出口戦略を示す時期に来ている」と指摘し、「本事業の経験で、何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを総括することが必要」と求めた。
さらに、森林環境譲与税を使って地方自治体が実施している事業との“住み分け”にも言及し、「森林環境譲与税による自治体事業、環境省等の他府省の関連事業との役割分担を整理する必要がある」とも要望した。
行政事業レビューは、予算のムダを洗い出すために、対象にした事業の存在意義を厳しく追及する側面が強い。今回は同対策が「やり玉」に挙がったが、他の事業についても説明責任を十分に果たせるように備えておくことが重要になっている。
(2026年6月24日取材)
(トップ画像=「行政事業レビュー」公開プロセスに提出された資料の一部)
『林政ニュース』編集部
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