国内広葉樹資源の最有力樹種はコナラ、初の全国調査・分析を実施

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林野庁は、2月24日に東京都内で開催した里山広葉樹利活用推進シンポジウム「森の彩を暮らしへ」の中で、国内の広葉樹資源に関する最新の調査・分析結果を公表した。

広葉樹資源の利用を進めるにあたって、資源量が多く需要も大きい樹種のトップはコナラで、以下、ミズナラ、ブナ、ホオノキ、クリが続き、コナラやミズナラは小径木の減少と大径化が進行していることなどを具体的なデータとともに示した。

今後は、利用可能な広葉樹資源を有効活用するプラットフォーム*1を来年(2027年)春頃に設立し、新たな産業の立ち上げなどを目指すことにしている。

来年春頃にプラットフォーム立ち上げ、林野庁有志チームが基本的データ整備

戦後の林政は、人工植栽された針葉樹資源の利活用に重点を置いて展開されてきたため、広葉樹資源については、ほぼ手つかずの状態となっている。林野庁は、9年前の2017年度に国有林内の広葉樹資源に関する調査を行ったが*2*3、民有林も含めて全国に賦存する広葉樹資源を網羅的に調べたのは初めて。

調査・分析を担当したのは、林野庁の有志職員で2024年度に設置した里山広葉樹利活用推進チーム。現在、同チームには約30名が参画しており、資源量調査では、全国レベルで実施している森林生態系多様性基礎調査(NFI)のデータを用い、需要動向に関しては、全国アンケートとともに81に及ぶ関連業者からのヒアリングなどを通じて実態の把握に努めた。

広葉樹の樹種別蓄積量
広葉樹の樹種別本数

その結果、広葉樹の樹種別蓄積量や本数、分布状況、大径木と小径木の割合などが明らかになり、利用拡大に向けた基本的なデータが整った。同チームは、引き続きデータの分析などを進め、順次、成果を林野庁のウェブサイトで公開していくことにしている。

サプライチェーンの再構築や素材生産事業者等の育成などが課題

これから国内の広葉樹資源を本格的に産業利用していくためには、①特定の事業者からなる細いサプライチェーンの再構築、②広葉樹施業に関する技術・知見の継承と体系化、③広葉樹を扱える素材生産事業者等の育成──などが重点題にあがっている。

新設するプラットフォームがこれらの課題を解決する母体になると位置づけられているが、当初は今年(2027年)の春頃とされていた立ち上げが遅れており、関係者らの合意形成と求心力の形成を加速することが必要になっている。

(2026年2月24日取材)

(トップ画像=コナラの分布状況)

『林政ニュース』編集部

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