製材品と比べ合板の価格はなだらかに上下動、時間軸が違う
井上社長と遠藤理事長が直接向かい合って対談するのは、2015年の1月以来となる。当時、井上社長は合板業界の若きリーダーとして、原料の国産材シフトや新製品の開発、新規需要の獲得などに率先して取り組んでいた*1*2。その姿勢は今も変わらないが、この間に経営者としての経験値を高め、業界内での存在感が一段と増してきている。
2人は、前回と同じく東京都文京区のセイホク本社7階にある社長室で話を始めた。
この約10年間で、国産材業界は大きく揺れ動いた。とくに、ウッドショックによって、業界のいい面と悪い面があぶり出された感がある。住宅需要の減少も相俟って、再編と淘汰の時代に入ったとも言える。合板業界の現状はどうか。
遠藤日雄(えんどう・くさお)
NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。