(中編)破竹の勢いで日本の山を動かすBPTグループ【遠藤日雄のルポ&対論】

(中編)破竹の勢いで日本の山を動かすBPTグループ【遠藤日雄のルポ&対論】

前編からつづく)バイオマスパワーテクノロジーズ(株)(三重県松阪市、北角強・代表取締役社長)を中心とするBPTグループは、この約10年間で、木質バイオマス発電から森林の管理・経営、デジタル技術や早生樹を活用した林業のイノベーション、焼却灰など未利用資源のリサイクルなどへと事業範囲を大きく広げてきた。BPTグループを率いる北角社長は、この勢いをさらに加速する構えをみせており、木質バイオマス分野では前例のないNON-FIT発電所の新設にも着手している。他に類を見ないスピード感で新規事業に挑み続けるBPTグループの“根源”には何があるのか。遠藤日雄・NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長が「対論」を通じて核心に迫る。

FITに頼らない次世代型の木質バイオ発電所にチャレンジ

遠藤理事長

BPTグループが木質バイオマス発電を中軸にしてビジネスのウイングを急ピッチで広げていることがわかってきた。それを踏まえて、今後の事業計画や構想などについて詳しく聞きたい。まず教えて欲しいのは、来年(2025年)4月の稼働開始を予定している「パワーエイド三重シン・バイオマスⓇ松阪発電所」のことだ。FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)に頼らない発電所にするというが、そんなことが可能なのか。

遠藤日雄(えんどう・くさお)

NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。

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