スギ・ヒノキなど4樹種の全ゲノムを解読、高速育種が可能に

スギ・ヒノキなど4樹種の全ゲノムを解読、高速育種が可能に

かずさDNA研究所(千葉県木更津市)と森林総合研究所林木育種センター(茨城県日立市)は、カラマツ・スギ・ヒノキ・コウヨウザンの4樹種に関する全ゲノムを解読したと11月30日に発表した。スギなどの針葉樹種は、他の栽培植物と比べてゲノムサイズが巨大で構造も複雑なため全ゲノムの配列決定は困難とされていたが、最新の情報解析技術などを用いることで解読に成功した。とくに、スギとヒノキの全ゲノム解読は、世界初となる。

遺伝情報を司るゲノムが解読できれば、育種期間の短縮化や効率化など「高速育種」が実現できると期待されている。また、ゲノム情報を活用した森林管理や、ゲノム編集、植物の進化過程に関する研究などにも応用できると見込まれている。解読した4樹種のゲノム情報は、WAB上のデータベース(BreedingTrees-by-Genes)で公開されており、育種や学術研究の基盤情報として利用できる。

栗田学・林木育種センター育種第1課長の話「4樹種のゲノム解読によってDNAレベルでの形質に関する研究の精度が大きく向上する。育種期間の大幅な短縮にもつながると考えている」

(2022年11月30日取材)

(トップ画像=カラマツ・スギ・ヒノキ・コウヨウザンの全ゲノムを解読した)

『林政ニュース』編集部

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