民間主導で新たにスタートした「ウッドデザイン賞2022」(日本ウッドデザイン協会主催)の表彰式が12月7日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催され、約330作品の応募があった中から選ばれた上位賞28作品が表彰された。
最優秀賞として、従来からの農林水産大臣賞に加えて、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞を新設した。
表彰式に出席した勝俣孝明・農林水産副大臣は、「受賞作品を好事例として、多様で新しい木材製品等のデザインが生み出され、建築物などの“ウッドチェンジ”が進むことを期待している」と祝辞を述べた。また、審査委員長の赤池学・(株)ユニバーサルデザイン総合研究所長は、「上位賞に入賞した作品は、地域を超えたバリューチェーン(価値連鎖)をいかにつなげるかを重視しており、木造物件などをつくるときのポイントになっていくだろう」と講評した。
有料化で応募数は減少も質は向上、裾野を広げマッチング促進
今回の「ウッドデザイン賞」から、2次審査を通過する際にはエントリー料として5万5,000円(税込み)を支払うことが必要になった。日本ウッドデザイン協会の担当者は、「有料化したことで応募数は若干減少したが、全体的に作品の質は上がってきた。様々な評価軸を設けたことで、裾野も広がっている」と話している。
同協会は、「ウッドデザイン賞」の運営のほかに、会員同士のマッチングも行っている。これまでに大手・中小企業や自治体、研究機関など約130団体が会員として参画しており、「異業種同士、とくに観光分野とのマッチングを進めたい」との方針をとっている。
その第1弾として、来年(2023年)1月18日(水)・19日(木)に長野県の茅野市と軽井沢町で「『ウッドデザイン賞』優秀作品に学ぶ視察ツアー」を開催し、環境大臣賞を受賞した「SANU 2nd Home」などを見学する。また、19日午後2時からは、軽井沢町のホテル音羽の森で「『ウッドデザイン』地域セミナー2023 in NAGANO」を行う。定員は、視察ツアーが約30名、地域セミナーが約60名。参加費無料(宿泊費・食事代は各自負担)。
(2022年12月7日取材)
(トップ画像=記念シンポジウムも行われ、約140名が参加した)

『林政ニュース』編集部
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