5年間で約1万5,000点のプロットを“人海戦術”で調べる
「森林生態系多様性基礎調査」は、1999年度に「森林資源モニタリング調査」としてスタートし、2010年度から現在の名称に変更して、今も行われている。
調査方法は、トップ画像のように全国を4kmメッシュで区切り、その交点に位置する森林を「調査プロット」(0.1ha)に設定して現地を調査している(標本調査)。
調査内容は、地況、林分概況、森林被害の状況をはじめ、施業履歴や立木・伐根・倒木の賦存状況、下層植生の生育状況、土壌侵食の状況など多岐にわたる。
調査は、5年間を1期として全国を一巡するサイクルで行われており、各期の「調査プロット」は約1万5,000点に及び、1年当たりでは約3,000点になる。これだけ多数の「調査プロット」に、事業を受託した調査チーム(基本的に3名で1チームを構成)が足を運んで、森林の状態などを調べている。リモートセンシング等では把握が難しい“現場の実情”を知るために、“人海戦術”による調査が行われている。
調査は、2019年度から第5期に入っており、このほど第4期(2014~2018年度)の結果がまとまり、公表された。
針葉樹と広葉樹の優先割合はほぼ半々、シカの分布域が拡大
第4期調査の結果から主な点をピックアップすると、まず日本の森林は、「針葉樹が優先する森林」が50.7%、「広葉樹が優先する森林」が4...
『林政ニュース』編集部
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