国内初!防火地域内に「3階建てCLTログハウス」が完成

国内初!防火地域内に「3階建てCLTログハウス」が完成

ログハウス「BESS」を展開している(株)アールシーコア(東京都目黒区)は、東京都福生市に新設した防火地域内では国内初となる「3階建てCLTログハウス」のプレス披露会を、1月24日に開催した。

CLTを使った木造丸太組み構法による3階建てログハウスは、同社が昨年(2023年)2月に「90分準耐火構造認定」を取得したことで防火地域内での建設が可能になった。木材を「現(あらわ)し」にするログハウスは、これまで2階までしか認められていなかった。脱炭素社会の実現が迫られる中で、非住宅建築物に対応できる木材を利用した新たな構法として注目を集めそうだ。

「3階建てCLTログハウス」の延床面積は564m2。1階はオーナーである純電工(株)(東京都福生市)のオフィス、2~3階は住居(賃貸8世帯)として利用する。外壁に国産ヒノキ(21cm幅、3cm×7層)のCLT、内壁にも国産ヒノキ(12cm幅、3cm×4層)のCLTを使用。CLTの生産は(株)サイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市)、加工は(株)ダイテック(福島県いわき市)が行った。設計・施工は、(株)アールシーコア。

オーナーの高橋勲・純電工社長は、丸太組み構法を採用した理由について、「SDGsに少しでも貢献し持続可能な社会の一員になりたいと考えたから。商業地域でも木のビルができることを表現できて嬉しい」と話している。コスト的にも他の構法と比較して見劣りしないとの見方も示し、「行政が木材の利用拡大を推進していて補助金を受けることができ、太陽光パネルやエレベーターの設置に活用できた」とも語った。

アールシーコアは、山小屋や別荘の代名詞だったログハウスを、マシンカットの導入や防火認定の取得、新技術の開発などによって一般住宅に普及させてきている。林野庁のガイドラインで計算すると、「3階建てCLTログハウス」の炭素貯蔵量は131t、スギ約260本分に相当する。

(2024年1月24日取材)

(トップ画像=大勢のプレス関係者が視察した)

『林政ニュース』編集部

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