自民党の林政対策委員会(中谷元委員長)が新たな重点施策などに関する集中的な検討作業をスタートさせた。1月31日に今年(2024年)に入って初の会合を同党本部で開き、林野庁から当面の課題について説明を受けた。中谷委員長は、「これから週1回ペースで会合を重ね、来年度(2024年度)予算要求に向けて6月の『骨太の方針』に検討成果を反映させたい」との方針を示した。
2月7日には2回目の会合を開き、森林経営管理制度と森林環境税・譲与税及び花粉症対策をテーマに議論を交わした。譲与税については、昨年(2023年)末に譲与基準が見直され、私有林人工林面積に応じた配分割合が5%引き上げられ、来年度から森林の多い市町村への譲与額が増えることになっている。
だが、総合農林政策調査会長で元農相の江藤拓氏は、同党として10%アップを要望していたこと*2を念頭に、初回会合の挨拶で、「今回の結果は非情に残念。これから山村部の人口減が進むので、ぜひ次の挑戦をしたい」と述べた。2回目の会合でも出席議員から、「人口による配分割合を引き下げていかなければならない。目標をしっかり定める必要がある」などの発言があり、さらなる譲与基準の見直しが迫られる状況になっている。
森林経営管理制度については、2022年度末までに全市町村の8割・約81万haで意向調査が行われ、回答があった約6割・約46万haのうち、約4割の所有者から市町村への委託希望が出ている。ただ、実際に林業経営者に再委託した面積は0.2万haにとどまっており、現場が本格的に動き出すのはこれからという段階だ(図参照)。出席議員からは、「この制度があることを知らない市町村関係者もいる。もっと周知していく必要がある」との指...
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。