誰でも製材所の経営が体験できる研修用ボードゲーム「セーザイゲーム」が5月13日にリリースされた。開発したのは、三重県熊野市の21業者で構成する熊野林星会と三重大学。競りや木取り、販売といった“木の商い”の肝となるプロセスをゲーム感覚で学ぶことができる。
セーザイゲームは、1チーム3人まで、最大6チームで行う。丸太の写真を見ながら、直径24cm、30cm、40cmの丸太カードを競り落とし、柱や梁、垂木など18種類の木取りカードを使って製材していく。丸太を競り落としたチームは、加工し終わるまで次の丸太の競りに参加できないので、素早い判断が必要になり、生産性も意識することになる。丸太カードも木取りカードも実際のサイズや等級に基づいており、価格も平時の相場を反映しているため、製材ビジネスのリアルがわかる。ゲームセットには、マニュアルや仮想通貨の紙幣なども同梱されている。
熊野林星会では、研修会などに競り子を講師として派遣し、製材や木育などの講演の後に同ゲームを実施して、「セーザイ王」を決める取り組みを広げることにしている。
会長の野地伸卓・野地木材工業(株)専務取締役は、「薄利多売の大量生産や少量生産で優良材を丁寧に加工するなど戦略の幅が持てるようになっている。全国の林業大学校などでワークショップを開いていきたい」と話している。
(2022年5月13日取材)
(トップ画像=「セーザイゲーム」のセット、木取りカードには熊野産ヒノキの無節材を使用している)
『林政ニュース』編集部
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