吉野石膏(株)(東京都千代田区、須藤永作社長)は、リサイクル石膏を100%使用した石膏ボード「タイガーR100」のプレス発表会を10月28日に東京都内で行った。7月に発売した「タイガーR50」に続くもので、担当者は、「廃石膏ボードのリサイクルは社会的問題であり弊社の命題でもある」と説明した。同社は、1996年に廃石膏ボードの広域再生利用事業の一括指定を受けてリサイクル事業の全国展開を開始。製品リサイクルには30年前から取り組んでいる。
「タイガーR100」は、廃石膏ボードを粉砕し紙と分離して得られるリサイクル石膏をそのまま使用していて、改質によるエネルギー付加はない。サイズは、3×6版の9.5mmと12.5mm。千葉第1工場と三河工場で受注生産され、価格は「R50」の3%アップ程度となる。
同社は、年間約400万tの石膏を使用しているが、廃石膏ボードの回収量は38万tにとどまっており、リサイクル率を高めることが課題になっている。同社の担当者は、「今はまだ製品の引き合いも少ないが、まずは開発の主旨に賛同してくれる顧客に対し、ラインナップを準備して選んでいただきたい」と話している。
(2024年10月28日取材)
(トップ画像=「タイガーR100」のサンプル )
『林政ニュース』編集部
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