林野庁は、2025年までの技術開発課題などを整理した「林業イノベーション現場実装推進プログラム」のアップデート版をまとめた。同プログラムは2019年12月に策定され、所要の予算措置とともに取り組みが行われているが、政府全体で進めるデジタル改革の進展に合わせて内容を更新した。
アップデート版では、イノベーションによる林業の将来像として、①伐採・搬出、②造林、③新素材開発の3大テーマに、通信技術の活用を追加。衛星コンステレーションや5Gなどの最新技術を導入して山間部の通信環境を改善し、2025年までに林業機械の自動化・遠隔操作化を実用化するとの目標を掲げた。
また、異分野の人材や技術が集結する「林業イノベーションハブセンター」(通称「森ハブ」)のあり方を再定義し、技術開発や普及を推進するプラットフォームとして位置づけた。来年度(2023年度)予算要求の目玉の1つである「デジタル林業戦略拠点」(仮称)の創設では、「森ハブ」からコーディネーター等の専門人材を派遣し、地域一丸となった取り組みを支援することが構想されている。
このほか、林業イノベーションに関する各技術のロードマップを5分類17課題から8分類35項目に整理し直し、技術熟度レベル(TRL:Technology Readiness Level)によって8段階で評価することにより、現場実装までの進捗状況を客観的に把握する仕組みも取り入れた。
(2022年7月1日取材)
『林政ニュース』編集部
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