太陽光発電目的の林地開発許可基準を「0.5ha」に引き下げ、1ha超を初めて見直し

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太陽光発電目的の林地開発許可基準を「0.5ha」に引き下げ、1ha超を初めて見直し

太陽光発電事業の拡大に歯止めをかけるため、林地開発許可制度による規制面積が1974年の創設以来、初めて引き下げられる。同制度では、保安林以外の民有林を対象に1haを超える開発行為について都道府県知事の許可を必要としているが、これを太陽光発電については「0.5ha」に改めて小規模な林地開発に対する“監視力”を強化する。

林野庁が設置している「太陽光発電に係る林地開発許可基準に関する検討会」(座長=石川芳治・東京農工大学名誉教授)が6月23日に中間とりまとめを行い、規制面積基準の引き下げなどを提言した。これを受けて、林野庁は森林法の政令改正など所要の手続きに入る。

2012年7月にFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が創設されて以降、太陽光発電事業を目的とした林地開発が急増し(トップ画像参照)、土砂災害や濁水発生の原因になるなど、対策が必要になっている。

林野庁は2019年12月に、太陽光発電施設の設置に関する運用細則を都道府県に通知し、傾斜度30度以上の自然斜面につくる場合は擁壁等の防災施設を確実に設けるなど一定の規制強化を行った。

これを踏まえて同検討会では、運用細則の実施状況や都道府県への聞き取り、衛星画像等による調査などのフォローアップを行ってきた。その結果、太陽光発電に関しては許可制度の対象外となっている1ha以下の開発案件が多いことを勘案し、規制面積の基準を「0.5ha」に引き下げて小規模な林地開発にも対応すべきと結論した。

このほか同検討会では、開発規模の一体性を判断する目安などについても整理し、太陽光発電事業の無秩序な拡大を防ぐよう求めている。

『林政ニュース』編集部

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