林野庁と林業機械化協会は、2月8日に「林業イノベーション推進シンポジウム」を会場とオンライン配信を併用して開催し、約570名が参加した。同シンポは、昨年度まで実施していた「林業機械化推進シンポジウム」を引き継いだもので、事例報告では、林野庁の補助事業を利用して実用化に取り組んでいる「集材・造材マルチワークシステム」や、“圏外”を解消する「情報通信杭」、伐採木運搬用の大型ドローン、公道走行に対応したホイール型フォワーダに関する成果が発表された。
また、「林業イノベーションハブセンター(通称「森ハブ」」を核としたプラットフォームの構築に関して、事務局をつとめる有限責任監査法人デロイトトーマツが情報提供を行い、自動化機械の開発事例として「3Dセンシング技術を搭載したフォワーダ」が紹介された。
パネルディスカッションでは、森ハブのあり方などが議論され、「民間主導で『林業機械自動化ワーキンググループ』を立ち上げる必要がある」(森林総合研究所の中澤晶彦・収穫システム研究室長)などの意見が出た。これを受けて、林野庁の木下仁・研究指導課長は、「これまでの森ハブは実証事業などへのアドバイスが中心だった。今後は個別の課題についてワーキンググループを設置したい」との方向性を示した。
(2023年2月8日取材)
(トップ画像=会場(東京都江東区の木材会館)には約130名が参加した)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。