年間原木消費量24万m3へ、無人化徹底し、輸出拠点目指す
中国木材の能代工場は、同社にとって国内6か所目の国産材加工拠点となる。同社を創業し、ベイマツ製材から国産材製材へのシフトを主導してきた堀川保幸最高顧問は、年間原木消費量100万m3のスケールで日本林業を活性化する構想を示してきた*3*4。能代工場は、その橋頭保となり、米国や東南アジア諸国など海外市場を開拓する拠点にもなる。
10月11日の完成披露式には自治体や取引先の関係者など約400人が出席し、製材棟や加工集成材棟などを視察した。加工ラインなどはコンピュータ制御とオートメーション化が徹底されており、視察者からは、「人がほとんどいない」などの声が上がった。
秋田県・能代市と民間初の「建築物木材利用促進協定」を締結
中国木材は、完成披露式に併せて、秋田県及び能代市と都市(まち)の木造化推進法に基づく「建築物木材利用促進協定」を締結した。同県が民間企業と同協定を結んだのは初めて。
同協定に基づき3者は、秋田県産木材製品の安定供給や確実な再造林による循環型林業の実現、木くずなどの有効利用を通じた二酸化炭素(CO2)の排出削減などに連携して取り組んでいく。
完成披露式で挨拶した堀川保彦社長は、「人工林の面積が日本一の秋田県、豊富な森林資源を持つ東北地方への期待は大きい。国産材を利用してくださる方にしっかりと(木材製品を)供給していく責任がある」と決意を語った。
(2024年10月11日取材)
(トップ画像=中国木材能代工場の製材棟の内部、画像提供:守屋光泰氏)
『林政ニュース』編集部
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