茨城県の大子町が建設を進めていた木造新庁舎が完成し、8月20日に竣工式典が行われた。新庁舎は、延床面積が約5,000m2に及ぶ2階建て純木造建築物で、行政棟、議会ホール棟、倉庫棟からなる。1棟の面積を3,000m2以下に抑えることで耐火被覆材をせずに木材を現しで活かし、方杖を立てた柱を600本使って樹林を表現するなど、従来にないモデル的な公共木造建築物となっている。
使用した木材は、スギを中心に約900m3。すべて県産材で、約6割は大子町産。県内の森林組合や製材工場、プレカット工場が連携体制をとり、製材、集成材、BP材などに加工して用いた。
新庁舎は、当初計画では鉄骨造だったものを木造に変更し、台風被害を受けて建設地を高台に移すなど異例の見直し作業を経て、昨年(2021年)3月に着工、今年(2022年)7月に竣工した。設計は(株)遠藤克彦建築研究所、施工は株木建設(株)。本体建設工事費は約21億円となっている。
(2022年8月20日取材)
(トップ画像=大子町新庁舎の外観)
『林政ニュース』編集部
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