木材や竹から製造される「バイオ炭」を使ったニュービジネスの確立を目指す新組織が岩手県で立ち上がった。9月10日に産官学の関係者で構成する「岩手県バイオ炭活用協議会」(代表=松本淳・県ふるさと振興部県北・沿岸振興室長)が盛岡市内で設立総会を開催し、活動をスタートさせた。
バイオ炭は、土壌改良効果を持つほか、炭素の長期固定による温室効果ガス削減効果があり、2020年にはJ-クレジット制度に登録されている。
同県北部では、昨年度(2023年度)から林業・生炭業・農業・畜産業が連携してバイオ炭の利用に取り組んでおり、同協議会では2026年度末までのビジネスモデル確立を目指している。
農家などの生産者は、バイオ炭と堆肥を混ぜて施肥し、農産物とJ-クレジットを販売することにしており、バイオ炭の購入コストや混合堆肥の製造コストなどを上回る収益が得られる手法を検討する。
併せて、バイオ炭と堆肥の最適な混合比率や施肥効果の検証も行う。長イモやニンニク、キャベツを栽培してエビデンスを取得することにしており、県の担当者は、「収穫はこれからだが、4月に植えた長イモの生育状態は良好で期待できる」と話している。