フランス向け輸出開始!「木炭大王」が率いる谷地林業【突撃レポート】

東北地方 岩手県 木炭 特用林産

フランス向け輸出開始!「木炭大王」が率いる谷地林業【突撃レポート】

木炭生産量日本一の岩手県に、「木炭大王」の異名を取る人物がいる。1916(大正5)年に木炭業者として創業した(有)谷地林業(久慈市)の4代目社長・谷地譲氏(50歳)だ。谷地社長が率いる同社には、2018(平成30)年度の農林水産祭で内閣総理大臣賞を受賞した製炭技師の谷地司・木炭製造部窯長が在籍しており、生産・販売している木炭は一級品として国内外から高い評価を受けている。6月にはフランス向けの輸出事業もスタートした。名実ともに木炭業界を代表する同社の最新状況をお伝えする。

1000年の歴史を持つ岩手の木炭づくりは「文化の支え役」

岩手県は、全国の木炭生産量の約2割にあたる約2,400tの木炭を生産している。とくに、“木炭のメッカ”として知られる久慈市をはじめとした県北部は、同県の木炭生産量の約7割を占めている。

この地で谷地林業を経営する谷地社長は、「日本文化の発展には木炭の存在が欠かせなかった」と、よく通る声で話す。

木炭の歴史は古い。同県では約1000年前から木炭づくりが始まり、エネルギー革命が起きるまで人々の生活になくてはならない必需品だった。

とくに、高火力を必要とする塩や鉄の製造で、木炭は重要な役割を担った。「塩や鉄は、食文化や建築物、工芸品のベースと言える。それらの製造に必要な木炭は、文化の“支え役”だった」(谷地社長)。

「木炭大王」と呼ばれる谷地譲・谷地林業社長

久慈市で木炭が盛んに生産されたのは、塩や鉄の製造の適地であり、木炭の原木になるナラ類が多く生えていたからだ。海に面していて塩田がつくれたほか、砂...

『林政ニュース』編集部

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