農林水産省は、住友林業(株)(東京都千代田区、光吉敏郎・代表取締役社長)が樹立している森林経営計画に関する大臣認定を3月1日付けで取り消した(行政処分)。対象森林面積は約4万8,000ha、計画期間は2023(令和5)年5月1日から2028(令和10)年4月30日までで、補助・融資・税制などの優遇措置は受けられなくなる。
同社では、元社員が森林経営計画の変更時に必要な大臣認定書を無断で作成した不正事案が発生している(公文書の偽造・行使)*1。これを受けて社内調査を行った結果、森林法に規定する30日以内の義務的変更の認定請求不履行と、一部地域で森林経営計画の内容と異なる施業を行っていたことが判明。同社は、森林法違反が発生した原因として、チェック体制の不備や社内手続きの不徹底があったとし、「行政処分を厳粛に受け止め、業務の適正化に向けた再発防止策を定め、徹底して取り組むことにより信頼回復に努める」(要旨)とのコメントを発表した。
なお、同社は、公文書の偽造・行使(刑法違反)を含めた不正事案に対する再発防止策を3月中には公表するとみられている。
(2024年3月1日取材)
(トップ画像=2024年2月15日に住友林業の本社で行われた2023年12月期決算発表・決算説明会の様子)
『林政ニュース』編集部
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