中部森林管理局が岐阜県下呂市で建設を進めてきた森林技術・支援センターの新庁舎が完成し、9月29日に落成式が行われた。

新庁舎は、木造CLT構造の平屋建てで、建築面積は約310m2、延床面積は約285m2。隣接する車庫も木造CLT構造でつくった。CLTに用いた材料は国産スギで、使用量は116m3、炭素貯蔵量は73t(二酸化炭素(CO2)換算)となっている。ホールや事務室、会議室などの内装材や案内板などにも国産材をふんだんに使っており、モデル的建築物として関係者に公開していく方針。
外観面の大きな特色は、背後の山並みの稜線に合わせた勾配屋根形状としたこと。また、白系高彩度色の使用を避け、建物の高さを抑えるなど、周囲の景観に溶け込むデザインとなっている。
新庁舎は、1959年に建設された旧庁舎(当時は下呂営林署)を建て替えたもので、昨年(2021年)9月から工事が行われていた。旧庁舎の床に使われていたイスノキを新庁舎のフローリングに再利用し、暖房用ボイラーの燃料に地元産のペレットを使用するなど、森林資源の有効活用にも取り組んでいる。建物全体でユニバーサルデザイン・バリアフリー化を進めており、床の高さを道路高より50㎝高くする浸水対策も講じている。
(2022年9月29日取材)
(トップ画像=新庁舎の外観デザインは背後の山並みに合わせた)

『林政ニュース』編集部
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