大手総合商社の丸紅(株)(東京都千代田区、柿木真澄社長)は、秋田県能代市(齊藤滋宣市長)及び白神森林組合(能代市、金野忠德組合長)と連携して、森林クレジットの創出事業に取り組む。9月5日に、3者間で合意したことを明らかにした。
共同プロジェクトとして、能代市の市有林約200haと白神森林組合が管理する約2,000haをフィールドにして、森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を国のJ-クレジット制度に基づいて認証・販売する。
当面、10万t以上のクレジット創出を計画しており、販売にあたっては、丸紅のネットワークなどを活用する。
丸紅チップ・建材部バイオマス課長の加治屋裕介氏は、「能代市とは以前から風力発電のプロジェクトなどで協力関係にあり、気候変動対策をさらに進めるため、森林分野でも共同プロジェクトを行うことにした」と狙いを語っている。
総合商社のノウハウ活かし「腰を据えて国内林業の発展目指す」
丸紅グループは、インドネシアとオーストラリアで計約13万haの植林事業を行っており、主に製紙原料となるユーカリなどを育てている。また、国内外で衛生用品や段ボールなどを製造しているが、日本国内で森林経営や林業・木材に関係する事業を直接手がけるのは、今回の共同プロジェクトが初めてとなる。
この点に関して加治屋氏は、「海外での事業成果を踏まえ、国内でも展開できないかという思いが強まった」とし、国内林業の課題については、「経営者マインドを持った人材が不足し...
『林政ニュース』編集部
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