長野県は、来年度(2023年度)から2032年度までの10年間を期間とする新しい「森林づくり指針」の案をまとめた。ゾーニングに基づいて多様な林齢、樹種からなる森林を形成しながら林業・木材産業の活性化を図り、木材生産量を80万m3台に増大させて、「稼げる林業」を実現することにしている。
同指針は、2004年に制定された県ふるさとの森林づくり条例に基づいて策定され、同県の森林・林業に関する諸計画の上位に位置する。新指針の案については、3月3日(金)までパブリックコメント(県民からの意見募集)を行った後に正式決定し、来年度から実行に移す。
「経営に適した森林」で主伐・再造林推進、針広割合4:6に
新指針は、県内の民有林(人工林)約33万haについて、「林業経営に適した森林」(約10万ha)と「それ以外の森林」(約23万ha)にゾーニングして整備を進める方針を打ち出した。「経営に適した森林」では主伐・再造林を進めて「80年サイクルでの林齢の平準化」を目指す一方、「それ以外の森林」については成長した樹木の抜き伐りなどによって針広混交林化を進める。50年後の針葉樹と広葉樹の割合は現在の6:4から4:6に転換し、2050年度における森林の二酸化炭素(CO2)吸収量は200万tを確保できると見込んでいる。
林業・木材産業の振興に関しては、主伐・再造林を推進して人工林の若返りを進めながら、県産木材の供給力アップを図る。同県の木材生産量は、2009年度の約30万m3が2021年度には約62万m3に倍増しており、5年後の2027年度には83万m3、10年後の2032年度には88万m3...
『林政ニュース』編集部
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