中部森林管理局と長野県佐久地域振興局は、11月25・26日に東信森林管理署管内の荒船山国有林(佐久市)で、小林式誘引捕獲法を使ったニホンジカ対策に関する現地検討会を開催し、地元の猟友会会員など約40名が参加した。
くくり罠と誘引餌を組み合わせた「小林式誘引捕獲法」は、初心者でも簡単に効率よくシカが捕獲できる方法として普及が進んでおり、考案した小林正典氏は2022年度の人事院総裁賞(個人部門)を受賞している*1。
EV自走式搬送機のデモンストレーションも行う
検討会の1日目は、罠を土で隠し、周りに餌と石をドーナツ状に置く捕獲のコツなどを解説。2日目は、捕獲したシカの止め刺しと解体を行い、現場から処理施設まで冷却しながら運ぶEV自走式搬送機のデモンストレーションを実施した。この搬送機は、オンサイテック(株)(長野市)が開発したもので、傾斜地でもリモコンで操作でき、捕獲処理作業の負担軽減につながると期待されている。
なお、同県内における野生動物による農林業被害は2022年度で約7億3,800万円に上っており、このうちニホンジカによる被害は2億4,500万円余を占めている。中部局の担当者は、「これからも地域と一体となってニホンジカ被害対策に取り組んでいく」と話している。
(2024年11月25・26日)
(トップ画像=現地検討会の模様はテレビでも放映された)
『林政ニュース』編集部
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