全森連から兵庫県森連が脱退、正会員は46に 「ひょうご森連」が事業継承し准会員として加入

全森連から兵庫県森連が脱退、正会員は46に 「ひょうご森連」が事業継承し准会員として加入

全国森林組合連合会(東京都千代田区、中崎和久・代表理事会長)の正会員である兵庫県森林組合連合会(兵庫県神戸市、谷公一・代表理事会長)が3月31日付けで全森連から脱退し、兵庫県森連の大半の事業を引き継いでいる「ひょうご森林林業協同組合連合会」(同、以下「ひょうご森連」と略)が4月1日付けで全森連の准会員として加入する。実質的に全森連の正会員が准会員に入れ替わる初のケースとなる。

全森連は、森林組合系統を代表する中央団体として活動しており(参照)、45道府県森林組合連合会と東京都森林組合及び大阪府森林組合が正会員となっている。兵庫県森連の脱退によって正会員数は47から46に減少することになる。一方、全森連の准会員は子会社で系統向け保険事業などを行っている組合林業(株)だけだったが、新たに「ひょうご森連」が准会員に加わる。

森林組合の系統図

主要事業を移して系統サービスを維持、発電事業とは切り離す

兵庫県森連は、県や関西電力(株)などと官民連携の事業スキーム(「兵庫モデル」)を形成し、兵庫県朝来市の朝来バイオマス発電所に燃料チップを納入するbe(バイオマスエネルギー)材供給センターを運営してきた。だが、ウッドショックの影響などで燃料材の調達が難航し採算性が悪化、同発電所とbe材供給センターは昨年(2022年)末で稼働停止となった*1

「兵庫モデル」の行き詰まりに対して兵庫県森連は抜本的な改善策を検討し、昨年10月13日付けで中小企業等協同組合法に基づく「ひょうご森連」を設立。「ひょうご森連」に兵庫県森連の主要事業を譲渡して、組合員への系統サービスなどを維持しながら新体制に移行することにした。

「ひょうご森連」は、県下の17森林組合と県林業種苗協同組合が会員となり、今年(2023年)1月に兵庫県森連から購買、販売、森林整備などの主要事業を継承、8名の役員と約17名の職員が中心となって業務を行っており、森林環境譲与税を活用した森林づくりやJ-クレジット(森林吸収クレジット)の創出支援サービスなども手がけている。  

一方、兵庫県森連は、稼働を停止した同発電所とbe材供給センターの譲渡先を決めるなど、木質バイオマス発電関連事業を“精算”することが最大の課題となっている。なお、兵庫県森連には、監査や政策提案、広報・普及などを行う指導事業が残っているが、今後、「ひょうご森連」に引き継ぐことも検討されている。

(2023年3月31日取材)

『林政ニュース』編集部

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