国産早生広葉樹「センダン」の商業利用拡大を目指す取り組みが北部九州で加速している。
10月18日、福岡市の九州大学で日本木材加工技術協会第41回年次大会のメインイベントとして、「早生樹最前線2023~センダンの実用化への挑戦~」と題するシンポジウムが開催された。登壇したパネラーは、センダンの利活用を先導している多士済々の面々。
林野庁森林整備部長の長崎屋圭太氏は、全国に約28万haある荒廃農地の林業的利用を進める上でセンダンの育成は有望と評価。福井県総合グリーンセンター林業試験部の木下輝雄氏と石川県農林総合研究センター林業試験場の富沢裕子氏は、寒冷地におけるセンダンの植栽適地に関する成果を報告し、早成樹の会(静岡県)の新妻廣美氏は、放置茶園にセンダンを植える構想を述べた。また、京都大学の山田範彦氏は、センダンをMDF、合板、LVL、パーティクルボードなどの原料として利用する可能性について解説、福岡・大川家具工業会の田中智範氏は、センダン家具の普及を目指す「SENDANプロジェクト」について紹介した。
10月20日には現地見学会も行い、熊本県内の10年生センダン植栽地(菊池市)やセンダンの聖地と呼ばれる舞の原試験展示園を視察した後、福岡県大川市の(株)ウエキ産業、(有)トマト、(株)関家具を訪れ、センダンを製品化する際のポイントなどをヒアリングした。
『林政ニュース』編集部
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