林野庁は、来年(2024(令和6)年)4月1日から2039(令和21)年3月31日までの15年間を期間とする新しい全国森林計画の案を7月28日に開かれた林政審議会に提出し、了承された。8月にパブリックコメント(国民からの意見募集)を行った後、林政審の答申を経て、10月頃の閣議決定を予定している。
新計画案は、2021(令和3)年6月に策定した森林・林業基本計画で示した森林整備・保全の目標や最新の森林資源量調査結果*1などをベースに、最近の情勢変化や新規施策の導入などを踏まえてまとめた。
具体的な計画量は、トップ画像及び表のように見込んでいる。目を引くのは、主伐材積(15年間の総量)を現行計画比約38%増の5億4,458万m3に増やし、人工造林面積(同)も同約35%増の137万5,000haに拡大すること。政府が新設した花粉症に関する関係閣僚会議が5月に決定した「花粉症対策の全体像」*2を受け、スギ人工林の伐採と植え替えを加速化する計画量とした。
このほか、盛土規制法の施行や林地開発に関する規制強化、改正クリーンウッド法に基づく合法伐採木材の利用拡大、林業労働力の確保促進、高度な森林資源情報の活用などの重点施策課題を織り込んだ計画案となっている。
(2023年7月28日取材)
『林政ニュース』編集部
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