佐賀県の鹿島市と太良町は、共同事業体「かしたらコンソーシアム」(仮称)を新設して、森林による二酸化炭素(CO2)吸収量の販売や有明海の保全、デジタル技術を活用したニュービジネスの創出など「ローカルSDGs」を実現する事業を連携して進める。両自治体が共同提案していたコンソーシアムの構築構想が国(内閣府)の「広域連携SDGsモデル事業」に九州で初めて採択された。これを踏まえ、今年度(2023年度)から3か年計画で“自走できる体制づくり”を目指す。
新たに立ち上げるコンソーシアムは、両自治体や地元企業などが連携するプラットフォームとなり(トップ画像参照)、専門家等からのサポートを得ながら、脱炭素につながる事業などを展開していく。活動に必要な財源について、初年度は、地方創生支援事業費補助金の2,000万円に両自治体が負担する1,100万円(鹿島市:700万円、太良町:400万円)の計3,100万円を充てることにしており、両自治体は9月の議会で承認を得る予定。次年度以降は、デジタル田園都市国家構想交付金などの活用を検討している。
具体的なプロジェクトの1つとして、太良町の町有林を活用し、森林のCO2吸収量を国のJ-クレジット制度に基づいて認証・販売する事業に着手する。約1,500haの町有林のうち、直営林にあたる500~700haを対象に、民間企業に業務委託をして来年度(2024年度)からモニタリングなどを実施する。認証されたクレジットは、コンソーシアムのネットワークなどを通じて販売する。
太良町は、長伐期で大径材を育てる「多良岳200年の森」づくりに取り組んでおり、優良林業地としてのブランド化を進めながら、新たな収益源としてクレジット販売を増やすことにしている。
『林政ニュース』編集部
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