経済界のシンクタンクであるJAPIC(日本プロジェクト産業協議会)の森林再生事業化委員会(委員長=酒井秀夫・東京大学名誉教授)は、来年度(2025年度)予算編成を視野に入れた新しい政策提言をまとめ、6月10日に青山豊久・林野庁長官に提出した。
提言内容を昨年(2023年度)6月時点の15項目*1から7項目に絞り込み、エリートツリーの普及拡大や森林情報の整備とオープンデータ化、木材利用の促進などに取り組むことで循環型の次世代林業を確立できるとした。
とくに今回の提言では、「令和6年能登半島地震」など大規模な自然災害が増えていることを踏まえて、防災対策の強化を重点課題に位置づけた。大量の被災木を迅速に処理するために、木材・土木関連業者と製材工場やバイオマス発電所などを事前登録システムによってマッチングし、有効利用につなげることを提案。また、木材資源の社会的備蓄も必要であるとし、災害用住宅を平時は交流用施設などとして利用し、備蓄期間を想定したファイナンスを導入するアイディアも示した。
(2024年6月10日取材)
(トップ画像=提言書を手渡すJAPIC森林再生事業化委員会のメンバー)
『林政ニュース』編集部
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