経済界の政策研究機関であるJAPIC(日本プロジェクト産業協議会)の森林再生事業化委員会(委員長=酒井秀夫・東京大学名誉教授)は、来年度(2024年度)予算編成に向けた政策提言を6月15日に織田央・林野庁長官に提出した。「『伐って、使って、植える』循環型産業の実現に向けて」をテーマに掲げ、提言内容を昨年度(2022年度)の10項目から15項目に増やした。
酒井委員長は、「緊急性の高い課題に取り組むことを要望した」と話しており、主伐・再造林を推進するため苗木の安定供給とエリートツリー等への転換を加速化すべきとしたほか、森林情報のオープンデータ化などを通じてスマート林業を実現することや、市町村の森林整備にPFS/SBI(成果連動型民間委託契約方式)を導入する新たな手法も提案。林道整備についても、常温で混合できるフォームドアスファルト舗装などの新技術を採用することでコストダウンと施工性の向上が図れるとした。同委員会は、これまでも「次世代林業モデル」の実現や林業DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などに関する政策提言を行ってきている。
(2023年6月15日取材)
(トップ画像=提言内容を説明する森林再生事業化委員会のメンバー)
『林政ニュース』編集部
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