大手企業で構成するJAPIC(日本プロジェクト産業協議会)の森林再生事業化委員会(委員長=酒井秀夫・東京大学名誉教授)は、来年度(2023年度)予算編成を睨んだ政策提言を6月30日に織田央・林野庁長官に提出した。
同委員会は、これまでも「次世代林業モデル」の実現などに関する政策提言を行ってきているが、今回は「伐って、使って、植えることに重点を置いた」(酒井委員長)。
10項目に及ぶ提言のトップに、「安定供給に資するサプライチェーンの確立」をあげ、「木はあるけれど伐採する人がいない時代が深刻化」していると指摘し、抜本的な対策を求めた。具体的には、林業DX(デジタルトランスフォーメーション)などの推進を前提に、「伐採から消費者までのリードタイムが長い産業構造を改善」する必要があるとし、ストックヤード(中間土場)や拠点貯蔵施設の整備、木材需要情報の的確な把握と共有化を重点課題にあげた。 リードタイム短縮のモデルを示すため、JAPICが熊本県五木地域で行っている実証事業を横展開していくことにしている。
(2022年6月30日取材)
(トップ画像=織田長官にに提言書を手渡す酒井委員長(右から2人目))
『林政ニュース』編集部
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