東北局が8か所の「美林誘導林分」初選定 「美林特級」目指すプロジェクトが本格始動

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東北局が8か所の「美林誘導林分」初選定 「美林特級」目指すプロジェクトが本格始動

今年度(2023年度)から「青森ヒバと秋田スギの美林誘導プロジェクト」に取り組んでいる東北森林管理局は、初の「美林誘導林分」を選定し、100年スパンで「美林特級」に育てていく事業を本格的にスタートさせた。

同局は、秋田スギ美林の条件として、①米代川流域に分布、②樹齢150年以上、③太さ54cm(特に良いものは68 cm)・高さ33m以上、④幹が通直で旺盛に成長──などを挙げており、能代市二ツ井町内の2か所と上小阿仁村内1か所の林分をこれらの条件をすべて満たす「美林特級」に指定。青森ヒバ美林については、①津軽半島に分布、②樹齢100年以上、③太さ34cm(特に良いものは52cm)・高さ20m以上、④ほぼヒバのみで構成され昼でも林内が暗い──などを条件とし、青森市内の2か所と中泊町の1か所の林分を「美林特級」としている。

「美林誘導林分」は、「美林特級」を目指して形質不良木や広葉樹の除間伐などを長期的な視野から行って観光資源や超優良木の供給源として育て上げ、地域振興等に貢献することにしている。

同局は、10月30日に、北秋田市内2か所、能代市二ツ井町内2か所、上小阿仁村内1か所の計5か所を「秋田スギ美林誘導林分」に、続いて11月9日には、五所川原市内の3か所を「青森ヒバ美林誘導林分」に選び、ウェブサイトで公表した。

同局の小島健太郎次長は、「貴重な美林を未来へ伝えていくためには、今ある美林の維持と保護だけでなく、新しい美林を育てていくことも欠かせない。百十数年をかけて美林を育てていくプロジェクトに継続的に取り組んでいく」と話している。 同局では、来年度(2024年度)以降も「美林誘導林分」の設定を進めていくことにしている。

(2023年11月9日取材)

『林政ニュース』編集部

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