ベトナムとの協力強化へ覚書、持続可能な森林経営など目指す

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ベトナムとの協力強化へ覚書、持続可能な森林経営など目指す

林野庁とベトナム社会主義共和国の農業農村開発省林業局は、5月14日に森林・林業関係の協力を強化する覚書を農林水産省で取り交わした。

日本とベトナムは、2013年から農林水産業に関する連携を深めており、2015年には「日越農業協力中長期ビジョン」を策定して、フードバリューチェーンの構築や農業インフラの整備などに取り組んでいる。森林・林業については、1992年から国際協力機構(JICA)が実施している技術協力にとどまっていたが、ベトナムからの提案を受けて覚書を結び、連携体制を強化することにした。覚書には、持続可能な森林経営やカーボンニュートラルの実現、研究開発、人材育成・交流などの幅広い分野で両国がタイアップしていくことを明記した。

インド、オーストリアとも連携し、木材利用の“輪”を広げる

林野庁は、ベトナムのほかにも、2015年12月にインド、今年(2024年)2月にはオーストリアと協力強化の覚書を取り交わしている。

インドとは、人材育成や森林保全、山地災害防止などをテーマにした意見交換を重ねており、今年3月には関係者がインド野生生物研究所やラジャスタン州で行われているJICA円借款を利用した植林事業などを視察した。

オーストリアと結んだ覚書でも持続可能な森林経営や木材利用の促進などを目指すことで合意しており、とくに次代の担い手を育てるための教育や人材交流などを活発化する方針をとっている。

覚書の締結国が増えることで、日本が昨年(2023年)のG7広島サミットで主導した「持続可能な木材利用」*1の拡大や国産材製品の輸出促進などにつながると期待されている。

(2024年5月14日取材)

(トップ画像=覚書に署名した青山豊久・林野庁長官(右)とベトナムのトラン・クアン・バオ林業局長)

『林政ニュース』編集部

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